今週の薬膳茶① 油断して食べ過ぎた!血流もあんまり良くないみたい。

何だかよくわからないけど、体調が悪い。ゆううつだ。ちょっと風邪気味かな。など、日々体調は変わるものです。それが季節の変わり目ともなると、元々の体質が、気温や湿度の変化に左右されるので、さらにバランスを崩しやすくなります。
この、何だか調子が悪い『未病』の状態の『体のバランスを整える』は中医学、薬膳の得意とする分野です。

 

『薬膳』は『陰陽五行学説』を土台とした中医学(東洋医学)の考え方を『食』に応用し、「体質・季節・年齢・性別・体調」に合わせて、適した食材・中薬(生薬)を用い、健康の維持、増進、老化予防、疾病の予防、治療回復などを目指す栄養学と言えます。全ての食材には当然といえば当然ですが、それぞれ役割があり、中医学では『五性』『五味(六味)』という考え方で分類します。このあたりは、また改めて書きたいと思います。

 

 

『薬膳茶』は単品、または何種類かの中薬(基本的には日本の薬機法上「医薬品」ではないものを使用します)・食薬を組み合わせてお茶として飲むものです。日本では『薬膳茶』という柔らかい表現をしますが、中国では『薬茶』というのが正確なんだそうです。とはいえ、方剤(漢方薬)のように「苦い・まずい」ものでは決してなく、スパイシーであったり、フルーティーであったり、甘みがあったり、「美味しい!」と思えるものが大変多いです。茶材として扱うものも、花、葉、果実、木皮、穀類や豆類といった多岐にわたり、もちろん茶葉を使うこともあります。イメージしづらいかもしれませんが普段、飲み慣れている日本茶や紅茶、烏龍茶もハーブティーも『薬膳茶』と言えます。

 

 

『薬膳茶』のメリットは、何と言ってもその手軽さ。食事のように手間はかからず、朝、何分間か煎じて携帯用保温ボトルに入れておけば、1日かけてゆっくり体調を整えていけます。この手軽さと美味しさに魅力を感じて、私も普段から、特に体調がおかしい時は伝統的なレシピやオリジナルでブレンドしたりして一週間ほど続けて飲んでいます。大げさではなく、本当に体調を整えるのに役に立っています。


もしご興味がある方は、是非!試してみてください。薬膳の基本をしっかり学んでおかないと自分でブレンドすることはあまり好ましくありませんので、薬膳師や薬膳茶師、漢方医などのプロの方に相談してブレンドしてもらってください。またインターネットでもブレンドされたものが販売されていますので、ちゃんとプロの方が監修されている『薬膳茶』を購入くださいね。

 

 

余談ですが、今年の秋頃から『日常の薬膳茶を学べる講座』を神田の事務所で開講できればな、と思っています。それまでは度々、『今週の薬膳茶』として、私自身や家族、友人の体調を整えたい時に試してみる薬膳茶を紹介します。

 

『今週の薬膳茶』…

先々週から親友Aちゃんがカナダから一時帰国、泊まっていたので、相方が海老フライでAちゃんをご接待しろ、というので、海老フライをたくさん作って食す(ちなみにお刺身用の冷凍エビを使ったせいか、プリプリというより、ふわふわに揚がった)。3/9の駅伝大会以降、忙しさにかまけて朝ランをサボり気味、甘い物も度々「ちょっとだけ」とつまむ。先週のある日は、帰りが相方より遅くなり、近所の鳥専門のお肉屋さんで焼き鳥とカキフライ(あれ?鳥専門だよね)を購入し、食す。ほぼほぼ、晩酌もしっかり。2週連続揚げ物、駅伝大会の打ち上げでは暴飲暴食、ビタミン足りてなくて口元に吹き出物(1日で治したけど)、運動してない。そんな状況で、普段からお悩みの体質、血瘀体質(ストレス、暴飲暴食によって、血の巡りが悪くなる状態。)が悪化し、足先の冷え(上半身は大丈夫)、少しむくむ。さらに胃腸の不調(胸焼け、胃もたれ、ゆるい)、1ヶ月のうちの女性特有の時期の前でもあってさらに血の巡りが良くない感がありました。気が足りない、気が巡らない、血流悪し。中医学では舌の状態を確認しますが、いつにも増して紫色(エネルギーとなる気と血の巡りが悪い)。むくんではいないけど、舌の脇に歯形があります(エネルギー不足気味)。

 

 

 

 

そこで、とりあえず、このブレンドで一週間飲んでみようと思います。本当は二週間くらい飲んで様子をみた方が良いと師匠は言いますが、とりあえず、一週間。途中でブレンドの微調整もありです。

 

 

◉丹参【苦・微寒/心、心包、肝】血流をよくする。生理痛。
◉さんざし(さんざしの実の部分)【甘・酸・微温/脾・胃・肝】消化促進(特に肉類)血流を良くする
◉陳皮(みかんの皮・スアイで取り扱ってます!)【辛・苦・温/脾・肺】胃の調子を整える、気を巡らせる
◉なつめ【甘・温/脾・胃・心】気を補う、胃腸を元気にする
◉はとむぎ【甘・淡・微寒/脾・胃・肺】利尿、むくみ解消、
◉菊花【辛・甘・苦・微寒/肝・肺】めまい、目の不調、解毒

↑この【辛・甘・苦・微寒】などが先に触れた中薬・食薬(食材)の性味(『五性』『五味(六味)』)、【肝・肺】を帰経と言い、五臓六腑のどこに影響を与えるかを説明しています。このあたりは追々。

 

私の足先の冷えは体が冷えているからの冷えではなく、むしろ血流の悪さから来ている冷えです。血流の悪さも温めながら流すのが基本ですが、上半身は特に冷えを感じることもないので温めるお茶というより、中間をとります。また、中医学では春は『肝』の働きが活発になり、消耗しやすいとされます。『肝」の状態を整える菊花、さらに血流をよくするために丹参、山査肉などを使いました。味はほんのり菊花(まるでカモミールのような香り)とみかんの皮の香りと苦味、甘みがあって優しく飽きない味です。

また一週間後、体調がどう変わったか、ご報告しますね。