「すべきこと」から距離をおいてー『陰陽』のバランス

前回、万物の事象を陰陽に分けて考える『陰陽説』に触れ、『はじまりと終わり』の間では身体にストレスがかかる。などと書きました。『はじまりと終わり』は陰陽の関係です。始まりは『陽』、終わりは『陰』。始まれば終わり、終われば始まり、『はじまりと終わり』が相互に絶えず動いていてエネルギーを生み出し、万物は移り変わっていきます。「平成が終わり、令和が始まった」、「学生生活が終わり、社会人としてスタートする」、「1日が終わり、明日がはじまる」など、ささやかでも沢山の終わりと始まりが起こっていて、この狭間では物事が目まぐるしく変化して莫大なエネルギーが発生しながら、同時に莫大なエネルギーが消耗もされている状態です。

 

太極図。よく見かけますよね。白い側が『陽』、黒い側が『陰』。これがグルグル絶えず回りながら、万物が成り立っています。

太極図。よく見かけますよね。白い側が『陽』、黒い側が『陰』。これがグルグル絶えず回りながら、万物が成り立っています。

 

 

 

 

「長い連休が終わり、仕事が始まる」。
まさに今週のことです。この頃、「5月病」という言葉がよく聞かれるようになりますが、人それぞれ、自分の心身の変化に敏感かどうかの差はあれど、何かしらのストレスはかかっています。今まで慣れていた環境や習慣が切り替わり、新しいことが始まることは、結構不安だったり、怖かったりしますよね。イライラする、落ち着かない、眠れない、気力が湧かない。よくわからない焦燥感などなど。この時、自律神経のバランスが崩れていると言われます。その自律神経も『陰陽』の関係。交感神経が『陽』、副交感神経が『陰』。東洋医学では陰陽のバランスが整っている状態(陰平陽秘とか陰陽平衡と言います)がのぞましい健康な身体の条件です。3月、4月まで、受験、就職、新学期、新年度と大きな変化に対応するため交感神経(陽)がフルに頑張っていて、この時点で結構バランスが崩れています。そして大型連休。頑張っていた緊張状態が解けます。すると今度は副交感神経(陰)が優位に働き始めるため、どっと疲れが押し寄せてくる。大型連休だからと言って、世のお母さんやお父さんをはじめ、多くの人がサボれるわけではなく、プライベートでも頑張る、頑張る。そして連休が明ける頃には、なんか不安、気力が続かない、些細なことでイライラする。

 

 

今回の大型連休最後の方で、私自身まさに先に書いたような状態になった気がします。今年は仕事上で新たな動きがいろいろ起こってきていて、緊張する場面も多いです。私はあまり器用な方ではなく、マルチタスク派というより、ひとつひとつ集中してクリアにしていきたいタイプなので、一気にいろんなことが変化すると考えが散漫になってしまって、まず、眠りが浅くなっていきます。大型連休の前半は鹿児島の志布志で過ごし、短時間仕事でPCに向かうことはあっても、おかげさまで仲間たちとよく笑ってリフレッシュ出来ました。東京に戻ってきた5月1日、「令和になったのね〜」という感慨にふけりつつ、そろそろ週明けからの仕事のことも考えなきゃ、と頭が動き始めて、徐々にまた緊張状態が始まってきました。志布志に滞在中から、環境の変化でアレルギー性の鼻炎が出たり、相方の酔っ払った怪獣のようなイビキを聴きながら寝ていたせいか、寝不足だ〜という感じが続いていました。大型連休残りの数日間は半分起きているような状態で、今度のイベントのメニューを具体的に考えていたり、あ〜、配送しなきゃ〜とか、村留ハーブ園さんの事を考えたり、サイトのプランを具体的に考えていたり。夢の中で考えているのではなく、具体的にです。目が覚めてからちゃんと辻褄があっていましたから。
連休最終日、ぼんやりとした頭で何をやっても落ち着かない、漠然とした不安。日中の異様な生あくび。
いよいよヤバいな、と。

こういう時、私なりの儀式があって。「今日はもう、何もやりません、考えません、寝ます」と大きく声に出して、相手がいれば、その人に言いますし、一人でも声を出して自分に言い聞かせます。たまたま相方が出張に出たのでその日は一人でした。生あくびが出て止まらない午後3時過ぎにはそう決めて(眠いと感じている時がポイント)、「今日すべき事」。家事も、もちろん仕事も、食事もせず、全ての音も消して、軽くストレッチをして、カーテンを閉めて、ベッドに入りました。身体を大の字に伸ばして、両手のひら、両足が重〜く水に沈んでいくようなイメージを作ります。ため息と言えるような大きな腹式呼吸(横隔膜を大きく動かすイメージ)を続けて、そのうち全身が水に沈んで行く。キラキラした水面を水の中から見つめているようなイメージを作る。これにアロマディフューザーでリラックスできる香りをたけば尚良さそうですが、考えがいたりませんでした。

気づいたら、朝の4時過ぎ。まだまだ寝る体力はあるようです「寝た〜!寝た〜!すっごく寝た〜(喜)」と相方にLINEしました(笑)ガチガチに張っていた肩も腰もすごく楽。身体が軽い。何かが詰まっていたのような頭もすっきり。このような対処法、皆さんもあるかもしれないですね。もしやった事がない方、よかったら我流でやってみてください。
なかなか家族と一緒にいる方だとワガママだと言われてしまいそうな対処法ですが、家族の理解を得るのも重要なポイントかなと思います。だって一緒に人生を歩んでいるのですから、自分が病んでしまうと、悲しいのは、困るのは家族の皆さんですからね。

 

 

今回、薬膳的対処法ではなく、我流の対処法ですが、自分の心身が、「あれ、ちょっとヤバいかな」という時に、自分なりの対処法をいくつが作っておくのは、とても良いことかなと思います。ウェルネス系のサイトなんかでは1日のリセット法などたくさん情報はあるけれど、毎晩リセット(1日の陰陽消長を考えれば理想的です)して翌日からハツラツとキラキラしてるスーパーな人なんて早々いないと思うんです。キラキラしたポートレートやプロフィールを公開してる方も、毎日キラキラしていたら疲れます(これも陰陽のバランスの崩れなのです)

「あれ、ヤバいかな」と気づく事。自分なりの対処法を作っておく事。ワガママ(とも思わないけど)をいう勇気。大事だと思います。

春から夏にかけての「心身の不安定」には、陰陽だけでなく、気の流れ、五臓の『肝』、『心』も深く関わってきます。

またこの話は書きますね。お読みいただき、ありがとうございました。